去年3月、新たな動きがあった。東京・墨田区にある賛育会病院は、内密出産の受け入れを開始することを表明。ただ、費用については原則女性の負担としている点など、慈恵病院とは方針に違いが見られる。また、大阪・泉佐野市は行政が主導するかたちで内密出産の受け入れ開始を目指すと表明。ふるさと納税による寄付金などを活用する方針。去年11月、市や連携する医療機関の職員らが慈恵病院を視察に訪れた。慈恵病院の取り組みは、ドイツの内密出産法を参考にしたもの。他のいくつかの国でも同じような仕組みが制度化されている。18世紀に公的に認められたフランスの匿名出産。現在は法制化され全土の産科病院で匿名かつ無料で出産できる。母親が残した情報は、国の専門機関などが管理。蓮田院長はフランスへ赴き、予期しない妊娠で悩む女性への対応について意見を交わした。国内でも内密出産の法制化を求め、去年12月2回目となる国会での発言の機会が訪れた。政府は、諸外国の法制度について調査研究を進めているとした一方、法制度の検討に向けた有識者会議等の設置は今のところ予定はないとした。慈恵病院で内密出産した女性は、赤ちゃんは特別養子縁組に託すことに決めた。今は地元に戻り暮らしている。
