理化学研究所のスーパーコンピューター富岳は、2021年に本格的に運用が開始されて以降、気象予測や新型コロナウイルスの飛まつ分散のシミュレーションなどに役立てられている。近年、米国で富岳の2倍以上の計算能力を持つスーパーコンピューターが開発されるなど、世界で競争が激しくなる中、文部科学省の検討委員会は後継として開発を進める新たなスーパーコンピューターについて方針をまとめた。性能について、現在の富岳に比べ計算能力を5倍から10倍に高めるほか、急速に活用が広がる生成AIなどにも対応できるよう世界最高水準のAI性能も実現することなどを目標に掲げている。また、計算速度のみを追求するのではなく、AIの学習に最適とされる処理装置、GPUなどの導入を検討し、生成AIやAIとシミュレーションを組み合わせた予測などにも活用したいとしている。開発主体は富岳と同様に理化学研究所に決定し、運用の開始時期については、遅くとも2030年ごろを目指すとしている。