プロ野球・広島カープの本拠地・マツダスタジアム。外野スタンドの後ろ側から、地下に降りると、大きな空間が広がっている。マツダスタジアムの球場の地下には、直径100mの貯留池がある。近くで大雨が降ると、ここに水が流れ込み、25mプール約40杯分の雨水を貯めることができる。貯留池ができてからの15年間で、雨水が入ってきたのは、45回で、うち6回は満水になったという。この地域は浸水が多く、貯留池ができる前は、1時間に53ミリの雨が降った場合、水が貯まりやすい地域が多かったが、貯留池整備後は、水が貯まりやすい地域がほとんどなくなった。雨水は、天候が落ち着いたら、地下を通るパイプを通じて、下水処理場に送られる。東京の国立競技場は、広域避難場所に位置し、試合のない緊急時に、多くの人を受け入れるための工夫が施されている。客席裏の扉を閉めると、帰宅困難者が待機できるスペースが約1万平方メートルできる。コンセントも設置されていて、スマートフォンの充電などに利用できる。停電しても、太陽光やガスによる発電で賄える。9か所に設置された可動式のフェンスをあげ、浸水を防ぐことができる。