いわゆる年収103万円の壁の見直しを巡り首都圏の自治体からは地方財政への影響が甚大だとして慎重な議論を求める意見や国に代替財源の確保を求める意見が相次いでいる。このうち東京23区で作る特別区長会の会長を務める新宿区の吉住健一区長はきょうの記者会見で控除額が仮に178万円まで引き上げられた場合、23区全体の個人住民税がおよそ2400億円の減収になるという試算を明らかにした。また全国の市区町村の中で最も人口が多い横浜市の山中竹春市長は会見で子育てや福祉、教育などに充てる市税収入の13%程度、およそ1200億円の減収になるという試算を明らかにした。山中市長は壁の見直しについて一定の理解を示した一方で「代替となる財源確保について総合的に議論してほしい」と述べた。