ノーベル平和賞の授賞式まで、あと3時間余りとなった。日本被団協を代表し、受賞演説を行うのが92歳の田中煕巳。開催地のオスロでは先ほど授賞式当日を迎え、日本被団協の代表委員・田中煕巳らの分刻みの一日が始まった。このあとの授賞式では受賞者を代表して演説を行う。その原稿を執筆中だった先月、これまで日本被団協の活動に奔走し続けた訳を話してくれた。田中煕巳は13歳の頃、長崎で被爆。爆心地から3.2km、家は損壊したが、ガラス戸が割れずに覆いかぶさり、奇跡的に無傷だった。日本被団協は結成68年、多くの先人と共に核廃絶を訴えてきた。核のタブーを世界に伝える。日本語の「HIBAKUSHA」はいまや世界の共通語。現在、被爆者の平均年齢は85歳。田中煕巳は被爆者の記憶を新しい世代に引き継いでほしいと強く思っている。10月、田中煕巳は高校生たちに「感性で受け止めて」と訴えた。授賞式は日本時間の今夜9時。田中煕巳の語る20分の演説は世界へと発信される。