解説委員・二村伸の解説。ヨーロッパなど40か国とイスラエルやレバノンなど中東の一部の国で、10月27日に夏時間「サマータイム」(Daylight Saving Time)が終了する。これらの国では時計の針が1時間戻されて冬時間に移行する。夏時間は時計の針を1時間進めて、冬時間はそこから1時間戻す。世界の時間の標準となっているグリニッジ標準時の27日午前1時(日本時間午前10時)に各国で時計の針を一時間戻す。各国の日本との時差を紹介。日本はサマータイムを実施していないが、海外旅行を計画している人は現地の時間が変わるため飛行機を利用する際などには注意が必要。海外と取引をする人や海外の知人と連絡を取る際も注意が必要。世界の約60か国がサマータイムを導入している。米国、カナダ:3月・第2日曜日〜11月・第1日曜日。欧州:3月・最終日曜日、10月・最終日曜日。ニュージーランド:9月・最終日曜日〜4月・第1日曜日。オーストラリア(南東部):10月・第1日曜日〜4月・第1日曜日。サマータイムの目的について。第1次世界大戦中にドイツ、オーストリアで国内の電力需要を減らすために導入されたのが始まり。終戦後、一度廃止されたが、第2次世界大戦を機に再開され、米国でも導入された。節電、省エネを目的として始まったが、その後、明るい時間の有効活用(余暇、スポーツ、買い物など)することで充実した生活を送ることができる、消費が増え経済効果が大きい、交通事故や犯罪の減少などのメリットが各国で強調されてきた。効果に疑問の声もある。エアコンの使用量が増える。健康への影響も懸念。日本睡眠学会は報告書で「生活リズムが乱れ睡眠不足に。体調不良、集中力の低下につながりかねない」と指摘してる。スウェーデンでは20年間の調査の結果、夏時間開始直後の3日に心筋梗塞のリスクが高まる調査結果も。また、年2回のシステム変更に手間やコストもかかる。サマータイム廃止の動きを紹介(EU、ロシア、エジプト、モロッコ、モンゴル、トルコ、アゼルバイジャン、メキシコ、ブラジル、環境省)。日本でも1948年(昭和33年)〜GHQ指令で4月〜9月まで実施された。しかし、労働時間増などで不評。4年後に廃止された。近年の導入検討事例を紹介。
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