埼玉県には食味ランキング「特A」のコメがある。新たなるブランド米を生み出す現場を取材した。東京ドーム2個分の場所で栽培されているコメ。品種開発などの県の研究施設「埼玉県農業技術研究センター」で、県の職員がコメを作っている。若い人たちの姿も。堪えるのは炎天下での作業。案内された部屋では様々な特性をかけ合わせ種を増やし、最終的には8万種類を田んぼに植えるという。様々な品種を育てるため、混ざらないよう一株一株を手で植えていく。紀アナウンサーも田植えを体験した。施設には交配に用いるための様々な種がある。開発の歴史が古く、施設ができたのは明治33年。戦後の食糧難の時には病気に強く収穫量の多いコメを、食生活が豊かになるとおいしさを追求するなど、時代に合わせた品種開発を行ってきた。暑さに強いコメを作るきっかけとなったのは熊谷市で当時、国内1位の40.9℃を記録した2007年の猛暑だった。高温障害が多く発生。施設のコメが全滅したと思われたが、奇跡的にも1株だけ酷暑を耐え抜いたコメがあった。その1株から種を増やし育てたのが「彩のきずな」。サーモカメラで見ても他の品種と比べ暑さに強いことが分かる。日本穀物検定協会発表の食味ランキングでも最高ランクの特Aを5年連続6度受けている。さらに暑さに強いコメを開発。「えみほころ」は去年、試験販売を実施。えみほころを試食した紀アナウンサーは「歯ごたえがしっかりしている」などと述べた。