企業団体献金をめぐっては、現行の法律では、企業団体などから政治家への献金は禁止されているが、政党などに献金することは認められている。個人献金は、政治家・政党のどちらにも認められている。自民党は、現状の維持を前提に透明性を高めるとしているのに対し、立憲民主党などは、企業団体献金を禁止することを主張している。日本大学の岩井名誉教授と片木弁護士に話を聞いた。岩井氏は、企業は国家や社会を形成する一員であり、政治に対するアクセスの権利は認めるべきだなどとし、厳しい規制と透明性の確保を前提に、企業団体献金はあってもいいとした。片木氏は、国民主権で国民が政治を動かすべき、営利を目的とする企業と公共の間では違いや矛盾が出てくるのではないかなどとし、個人献金を中心とし、企業団体献金はやめるべきだとした。岩井氏は、日本では個人献金が伸びておらず、政治のコストを誰が負担するのかということを全体で考える必要があるなどとした。岩井氏が指摘したのは、現在認められている政党支部への献金。多くの国会議員が自分の選挙区にある政党支部の代表を務めている。岩井氏は、政党支部は、政治家個人と表裏一体のもの、これが抜け道になっている、企業団体献金を認めるのであれば、政党本部だけに認めていくほうが賄賂性は低くなるなどとした。片木氏は、立憲民主党などが提出した法案において、政治団体を禁止の対象外とした点を指摘。全面禁止にするべき、政治団体から献金することが認められれば文字通り抜け道になるなどとした。今後について、片木氏は、国民の政治不信がどれだけ高まっているか、危機意識をもって認識すべき、野党だって油断できない、できるだけ早い結論が求められるなどとした。岩井氏は、国会の議論は場当たり的、外部の第三者機関に投げて、時間をかけて全体を見直してもらうほうがいいなどとした。きょう与野党は、政策活動費の廃止などで合意したが、抜本的な改革を進め、国民の信頼を回復できるか、引き続き問われることになる。
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