国会では2025年度予算案をめぐる与野党協議が最終局面を迎えている。少数与党のため野党の協力を得ないと新年度予算を成立させられない与党は“八方美人”にならざるを得ない。政府が協力を得たいのが「高校授業料の無償化」を掲げる日本維新の会だ。国会では高校授業料無償化について石破総理は修正に応じる考えを示した。また焦点となっている私立高校授業料の支援学について維新側は現在の約39万円から63万円への引き上げを主張するなか、石破総理は「45万7000円をベースに」と引き上げる考えを初めて明言した。そして今、最も熾烈を極めているのが高額療養費をめぐる立憲民主党との議論。「高額療養費制度」とは医療費の自己負担額に上限を設ける仕組みで、超えた分は税金や保険料から支払われる。そのため政府は現役世代の保険料の増加を抑えようと今年8月から自己負担額の上限を段階的に引上げる方針だが、この見直しに患者団体から“治療を断念せざるを得ない”との反対の声が上がっていて、野党からも「過ちを改まるに はばかることなかれ」などという声があがっている。さらに島根県の丸山知事も強い言葉で非難した。制度全体の見直しを“凍結”するよう求める声に対し政府が主張するのは“長瀬効果”への期待。「長瀬効果」とは患者の自己負担が増加すると受診控えが起き医療費が削減される効果のこと。政府は患者の受診控えにより約1950億円の医療費削減が見込まれるとした。一方、自民党 厚労部会では「高額医療費制度」のうち長期治療を受ける患者の負担増を取りやめる“修正案”をまとめた。この修正に患者団体は「長期にわたり継続して治療を受ける患者さんの負担は非常に大きいものがあり、この部分の負担軽減についてご配慮いただいたのは率直に感謝したい」とした。
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