野村證券・後藤祐二朗氏が解説。後藤さんは「神田財務官は介入したか明かしていないが、値動き的には介入の可能性が警戒される。介入発動だったかどうかは5月末公表の介入実績を待つ必要があるが、高官発言や日銀と政府との資金のやりとりが焦点。為替市場で多くが想定していた介入ラインは152円、155円とみられ、日銀会合後への警戒も高い状況だった。値動きが介入発動によるものとしても想定よりも介入発動レベルやタイミングは遅れた感がある。150円前後でもドル買いを待っていた円売りドル買い需要もそれほど吸収できなかった可能性がある。先週、日銀・植田総裁が“円安による基調的な物価への影響は限定的との見方を示し、円安に対応した利上げ前倒し期待も高まりにくくなっている。介入は一時的には相場に大きく影響を及ぼす一方、中長期的な介入効果がやや弱くなるリスクもありそう。160円は当局の防衛ラインとして当面は意識されそう。短期的には160円を試す動きは沈静化する可能性は高そう。連日での介入となる可能性にも注意が必要」などと述べた。