日銀の植田総裁は会見を開き、米国経済の動向が日本の経済物価の動向に影響を及ぼす懸念があるとした上でさらなる利上げの実施については米国で発表される経済指標の内容などを慎重に評価しながら検討していく考えを重ねて示した。植田総裁は大阪市で講演を行った後会見を開き、米国経済の動向について「前もって何週間、何ヶ月見れば十分であるということが分かる種類のものではなくて、毎月毎週のように新しいデータが出てきますし、それを見ながら考えていきたい」と述べた。その上で「米国経済の先行きの不透明さが解消されれば、日銀として年内のさらなる利上げは排除しないのか」と問われたのに対し「米国経済が良いものになったところで日本の経済物価の動きがその時点でどういうふうに推移しているか、それに伴って私どもの見通し、あるいは見通しをめぐるリスクにどういう変化が生まれているか、いないかということに依存し、そのバランスで政策が決まってくる」と述べ、米国経済の動向や日本への影響を慎重に評価しながら検討していく考えを重ねて示した。