唐鎌さんは「日本の2024年の経常収支は約29.3兆円で、現行統計で比較可能な1985年以降過去最大。過去最大だった2007年というのは、経常黒字の半分は貿易収支でした。しかし、2024年に関しては、第一次所得収支だけで40兆円でした。要は、投資で稼いでおり、成熟した債権国と言われている姿がより鮮明になりました。経常収支の中でも、近年サービス収支に着目すると動きが、すごく早いというか激しいですね。端的に言うと、拡大するデジタル赤字を、拡大する旅行収支黒字でいかに打ち返せるかというのが、今の争点になっています。旅行収支での打ち返しというのは、どこかで力尽きてくるとすると、サービス収支赤字はデジタル赤字に押され綱引きが進んでいくのではないかと思っています。サービス収支の長期展望を見てみると、サービス収支赤字が10兆円を超えたらどういう意味があるのかということを考えながら、為替市場などの展望をしていくといいのかなと思っています。過去に3回だけサービス収支赤字が10兆円を超えており、いずれも大きな円安の影響がありました。10兆円を超えてくるとドル円相場には影響が出てくると思います」などと話した。