1月の全国消費者物価指数によると、生鮮食品の価格は前年同月に比べ21.9%も上昇。品目別ではキャベツが2.9倍、白菜は2倍だった。賃金や物価上昇が人々の心理に与える影響も小さくない。食料品の値上げが常態化し、身近な生鮮食品やコメの値上がりを何度も目にし、「物価はもっと上がるだろう」という意識が強まる可能性は高い。そうなれば、生産者や小売店はさらに値上げをしやすくなる。日銀には物価の動きを安定させ、前年比2%増の緩やかな上昇を実現する使命がある。今は長く続いた超低金利時代に別れを告げ、徐々に利上げを進める段階にある。インフレの勢いが強くなりすぎれば、利上げを前倒しして沈静化させる必要がある。食卓に並ぶ品々の高騰は節約意識を一段と強め、消費を冷え込ませる恐れもある。(毎日新聞)