井上さんのプロの眼のテーマは「国債市場の機能改善 重要さと対応策」。日銀は四半期ごとに国債市場のサーベイ調査を行っている。その結果を見ると、直近では改善しているがまだ完全ではないという評価になっている。国債市場が困難になると、他の金利も不安定化し、他の金融資産の換金売りが起こる。そうすると企業や家計の資金調達が困難になり、投げ売りによって資産価格の広範な下落という悪いサイクルが起きる。今年4月はじめに株価が大きく乱高下したときに、長期金利が短期間で大きく上昇した。コロナショックと比べても前半のところは匹敵するくらいの大きさが動いていたということがわかる。井上さんは「日銀は四半期に4000億円ずつ減少させつつあるが、これをそのままやるのかどうか見直すとしている。次回の決定会合のポイントの一つになると思う」などと話した。