ホンダと日産自動車が経営統合に向けて協議を進めていることが分かった。実現すれば世界3位の巨大自動車グループの誕生となるホンダと日産自動車の統合。関係者によると両社は持ち株会社を設立し、それぞれの会社を傘下におさめる形で経営統合する方向で協議を進めている。協議を進める背景には米国のテスラや中国のBYDなどの新興メーカーが先行するEV(電気自動車)や自動運転、車のソフトウエア開発など、新たな分野での競争の激化がある。両社は競争を勝ち抜くために必要となる巨額の開発費などを分担するとともに、互いの強みを生かして競争力を強化するねらいがあるとみられる。これまで経営面で独立路線を貫いてきたホンダにとって今回の動きは大きな路線転換ともいえる。1948年に創業者・本田宗一郎氏が設立したホンダはこれまでほかの自動車メーカーと資本関係を築くことなく、技術力を高め、実績を積み上げてきた。一方でここ数年は他社との協業を相次いで決断。ソニーグループとEVの開発や販売で提携し、IBMとは車載用の半導体やソフトウエアの開発を共同で行う計画を進めていた。こうした中、ことし3月、ホンダと日産自動車は包括的な協業に向けた検討を始めた。両社は経営統合に向けて近く基本合意書を締結する見通しで、協議の行方が注目されている。