厚生労働省は全国の従業員5人以上の事業所3万余りを対象に毎月勤労統計調査を行っていて、ことし9月分の速報値を公表した。それによると、基本給や残業代などを合わせた現金給与の総額は1人当たり平均で29万2551円と前の年の同じ月に比べて2.8%増加し33か月連続のプラスとなった。このうち基本給などにあたる所定内給与は26万4194円と2.6%増加し31年8か月ぶりの高い伸び率となった。一方で物価の変動分を反映した実質賃金は物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず前の年の同じ月に比べて0.1%減少した。実質賃金がマイナスとなったのは2か月連続。厚生労働省は「春闘の影響などで賃金の高い伸びが続いている。一方で物価は電気やガスへの国の補助金で抑えられた面はあるがこちらも高い状況が続いている。引き続き物価や賃金の動向を注視したい」とコメントしている。