増え続ける特殊詐欺の被害。先週警察庁が発表した最新のデータによると今年6月までの半年間の特殊詐欺の被害額は597億円を超え過去最悪となった。中でも急増しているのが「ニセ警察詐欺」だ。警察官を語り現金をだまし取る手口が全体の約65%を占め、被害額は389億円にのぼっている。さらに警察官を語る詐欺でこの夏特に注意すべきなのが遺失物が届いているという詐欺電話。「成田空港警察署」を名乗る自動音声が流れ、「落とし物が届いている」と通話に誘導しょうとする。ニセ警察官と電話がつながると「飛行機でカードを落としていないか」などあたかも成田空港が関係するような騙し文句で資産状況を聞き出したり、金を要求してくるという。さらにいま技術の進化により巧妙化しているのがAIを利用した詐欺だ。身に覚えのないネット広告に怒りの声を上げるのはSNSの総フォロワー数が100万人を超える個人投資家のテスタさん。AI技術を悪用して作られたというのが既存のインタビュー映像にAIで作った音声をつけたとみられる動画広告。映像をよく見ると音声と口の動きが一致していないのが分かる。それでも「費用ゼロで株式投資を始める」という甘い謳い文句を信じ、広告から偽サイトにアクセスしてしまうとLINEでやりとりする流れになり、お金を振り込むと戻ってこなくなるという。テスタさん自身こうした広告はすべて詐欺とSNS上で常に注意喚起を行っているが、日々進化するAIを使った手口に頭を悩ませている。そして今、懸念されているのがAI技術を使い知り合いや家族の声を生成し本人になりすまして詐欺の電話をするという新たな手口。
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