東京都によると、都内の銭湯の数は去年末時点で430軒。この10年で239軒減少している。東京都浴場組合は2021年から「銭湯の担い手講座」をスタートさせた。近年、「銭湯を経営してみたい」と希望する人が増加している。講師は東京都浴場組合副理事長・佐伯雅斗さんが務めている。講座を受けて銭湯経営を引き継いだ人がいる。埼玉・朝霞市にある唯一の銭湯「あづま湯」。39歳のあづま湯店長・佐藤善太さんは東京大学大学院で社会学を学び、コンサルタントとして約14年勤務。中小企業や起業家の支援をする中で「自分も独立して好きなことをしたい」という思いが募っていった。銭湯を選んだ理由について「たまたま家の風呂が壊れて夫婦ともいろいろな銭湯やサウナをめぐったりというのが趣味になっていった」と話した。講座に参加し、組合から「あづま湯」を紹介され、去年8月に経営を引き継いだ。佐藤さんはコンサルタントで培った経験を生かし、平均客数の前年同月比の集計をはじめ、現状の分析をブログに公開。それを読んだ人が「あづま湯」に興味を持ち、集客につながっている。