国連の安全保障理事会で12日、脱北者の男性が北朝鮮の人権状況の改善を訴えた。国連の安全保障理事会で12日、北朝鮮の人権状況に関する会合が開かれた。会合には2011年に脱北した男性も出席し、声を詰まらせながら、金正恩総書記に対し人権状況の改善を訴えた。脱北者の男性は「北朝鮮の人々が自由に暮らせるようにしてください。基本的な人権を認め、充実した幸せな生活を送れるようにしてください」と訴えた。会合では、各国から北朝鮮が核・ミサイル開発を優先して自国民の人権を侵害しているとの批判が相次いだ。日本の山崎和之国連大使が「拉致問題も重大な人権侵害」だとした上で、拉致被害者の即時帰還を求めた。一方、ロシアと中国は北朝鮮を擁護する姿勢を崩さず、安保理で北朝鮮の人権問題を扱うことに強く反発した。会合に先立ち、日米韓など57か国は「北朝鮮は国民を搾取し兵器開発の財源を生み出している」などと非難する共同声明を発表している。