日産自動車はきのう、社外取締役など5人から構成する指名委員会を開き、トップを含めた新しい経営体制の人事案を議論した。関係者によると、業績の悪化の経営責任を問う声が上がる中、委員会では内田誠社長の後任の候補として、ジェレミー・パパン最高財務責任者など複数の外国人幹部の名前が挙がったという。会社は来週11日に取締役会を開き、指名委員会の意見を踏まえて社長など新しい経営体制を決める見通し。ただ、後任候補も経営幹部として業績の悪化に責任があるという異論も出ていて、議論しだいでは内田社長が続投する可能性もあるという。日産は米国や中国の販売不振などに伴い、今年度の決算で800億円の最終赤字を見込んでいるうえ、ホンダとの経営統合の協議も僅か1か月半で打ち切りとなった。会社は来月、経営体制を刷新する方針を示していて、早期に経営の立て直しや提携戦略を打ち出していけるかが課題となる。