ここからはロンドン五輪フェンシング・フルーレ団体で銀メダルを獲得した三宅諒さんに解説いただく。加納虹輝選手は男子エペ個人で初の金メダル、男子フルーレ団体も金、男子エペ団体は銀、女子もフルーレ団体で銅メダルとサーブル団体で銅メダルを獲得、史上最多5個のメダル獲得となった。メダルの獲得数は強豪国・フランスに次ぎ2位だった。フェンシングはこれまでのオリンピック全てで3つだったため大躍進となった。北京で太田雄貴さんがメダルを獲得してから注目されるようになり、徐々に若い世代を中心に人気が上昇中。パリ五輪後はさらに問い合わせが増加しているという。三宅さんは「五輪でメダルを取ることが競技人口を増やすためにも日本代表のレベルを挙げるためにも必要。今後は入ってきた子たちを育て上げる環境整備や指導者の育成も必要になる」と話す。フェンシングの競技人口は増加したといってもまだ2,000人程度。三宅さんは「フランスの会場でやるのってめちゃくちゃ楽しいんですよ。オーディエンスがイケてるというか、よく分かっているんです。日本でいうと柔道や剣道みたいに子どもの時に触れているんです。日本だと『いまどっち?』って歓声が遅れたりするけど、フランスの方は分かっているからリアルタイムで盛り上がる。僕も10年ほど前にグラン・パレで戦ったことがあるけど、本当にここは特別な会場だと思います」などと話した。玉川さんは「今回は疑惑の判定とかあったけど、フェンシングは機械判定じゃないですか。だから疑惑が入り込む余地がないというのは競技として良いんですか?」と聞くと三宅さんは「フェンシングは実はゆっくりみても(判定が)分かれるんですよ。エペはとにかく突けば勝ち。でもフルーレやサーブルは結構審判の主観が入っちゃう。フルーレとサーブルは両方ランプが付いた時は審判の好き嫌いで分かれる。だから事前に『あの審判はこういうプレーを好まないからちょっと変えよう』とかは起こり得る。それが誤審かと言うとそうではない。オリンピックではないけど、世界大会とかで審判とかに挨拶に行くときに靴とか時計を褒めるんです。そうすると審判もちょっと機嫌が良くなる。それは太田雄貴さんから学びました」などと話した。今大会での大躍進の理由の一つに予算を集中投入したことがある。男女フルーレの7選手を特別強化選手に指定し、強化費の9割近くにあたる6,000万円を投入した。全国に散らばっていた代表選手を東京に集め500日間合宿を決行。家賃・食費・遠征費などを支援した。太田さんによるとこの500日合宿で「基礎体力も含めフェンシングの体力もついた。決勝の舞台まで立てたのは普段の練習があってのもの。練習量というのが明確な差だった」とのこと。