東京都墨田区にある一八福寿司は昭和40年創業の老舗寿司店である。今は父親から店を受け継いだ2代目店主の一八さんが切り盛りしている。常連に限らず、若い人や外国人観光客が訪れる店だが存続の危機に陥っている。回転ずし大手のくら寿司が銀座にインバウンドを意識した店舗をオープンするなど、寿司が外国人観光客に大人気である。インバウンド需要が見込める一方で、個人経営など小規模のすし店は今年の1月だけで5件倒産した。好調な大手と違い、年間の倒産件数はコロナ禍以来となる30件を超えるという予想が出ている。経営を苦しめているのは主に食材の仕入れ価格や光熱費などの上昇である。経営が順調でも廃業を考えるというケースもある。今年26歳になる息子は会社員で後継者がいない。