去年1年間に確認された介護事業者の倒産は、前の年から1.4倍増えて全国で172件だった。これは介護保険制度が始まった2000年以降で最も多くなった。総額は合わせて229億円余りで、従業員数が10人未満の小規模な事業所が8割以上を占めている。この内訳だが、訪問介護が全体の半数近くを占めて81件、次いでデイサービスなどの通所、短期入所、そして有料老人ホームなどとなっている。この倒産の要因としては、介護職員が不足して事業が継続できないこと、コロナ禍で経営が悪化して、介護用品や光熱費などの高騰が追い打ちをかけたことなどが考えられるという。調査を行った東京商工リサーチは“介護の需要は高まる一方、事業者の倒産で介護サービスが行き届かないところも出てきている。介護事業者同士の協力や国などの支援が欠かせない状況だ”と指摘している。