半導体フラッシュメモリーの世界大手・キオクシアホールディングスは東芝の半導体事業の会社だったが、2018年に東芝の経営再建策の柱として米国の投資ファンドなどに買収され独立した。資金調達に向けて2020年に上場を申請して以降、米中の貿易摩擦や株価が振るわなかったことなどを理由に延期を続けてきたが、来年から半導体の市況が上向くことが見込まれるとしてきょう東京証券取引所のプライム市場に上場した。午前9時に始まった取り引きでは売り出し価格を15円下回る1株1440円で最初の価格(初値)がついた。初値をもとに計算した時価総額は7762億円で、ことし上場した企業の中で東京メトロに次ぐ大型上場となった。生成AIの普及などに伴ってフラッシュメモリーの需要が高まると期待される一方、会社は設備投資を巡る競争で海外メーカーから後れを取っていた。会社は今回の上場によって291億円を調達し、最先端のメモリーの生産などに向けて設備投資を進める方針で、競争力の強化につなげられるかが今後の焦点となる。