3月期決算の上場企業およそ2300社が6月末にかけて株主総会を開く。焦点となるのが、株主への利益還元の拡大や政策保有株の売却。企業側が東証による資本効率の改善要請を踏まえた取り組みを急ぐ一方、アクティビストの動きも活発で株主提案を受けた企業は最多だった。ホンダはPBR1倍超えの早期実現に向けて、今年5月に3000億円を上限とする自社株買いを発表した。また今年は、ゼネコン各社の動きが目立ち、大成建設は2027年3月末までに政策保有株を連結純資産の20%未満に減らす方針。市場を意識した経営が広がり、今年3月末でPBRが1倍を超えた東証プライム企業の比率が全体の61%と1年前から上昇したが、株価が帳簿上の解散価値を下回る1倍割れの企業も4割弱残り差が開いている。一方投資家の要求水準は高まり、投資会社ストラテジックキャピタルは、大阪製鉄などにPBR1倍以上を目指す計画作りと開示を求める提案をするなど、企業は総会で資本を投じて稼ぐ力につなげる成長戦略の説明も欠かせない。(日経電子版)