先月、都内で開かれた経営者や企業幹部を対象にした勉強会。企業法務や金融の専門家などが講師となる4日間の集中講義。機関投資家との向き合い方などを実践的に学ぶ。講師の中には、物言う株主として知られる香港の投資ファンドのセス・フィッシャー氏もいる。長年、業界大手や知名度のある日本企業に、経営陣の刷新など変化を迫ってきた。去年は、日本の化学メーカーの経営陣と対立し、総会で社長の再任が否決された。フィッシャー氏の講義は、3時間以上に及んだ。国や東証の要請もあり、日本企業は、この10年あまり、株主との対話や透明性のある経営を進めてきた。フィッシャー氏は、ガバナンス改革は10点満点中4点だが、1からのスタートだと考えれば4倍の改善で、大きな進歩だ、赤字事業や投資効率の悪い事業を整理して、資産を売却し、最も強い事業にエネルギーを集中させるなどと話した。一方、短期的な利益を求め、企業の長期的な成長を妨げているのではないかという批判については、経営判断に踏み込みすぎているとは思わない、事業運営への関与を重視していて、株主提案などによるM&Aは経済を不安定にさせるものではない、業界再編はビジネスや経済を安定させる強力な力になるなどとした。日本の経営者については、もう少しだけリスクをとって、もう少しだけ素早く行動する度胸を持つべきだなどとした。日本経済の先行きは、イラン情勢などでより不透明になっている。今の難局をどう切り抜け、成長戦略を描くのか。株主はもちろん、取引先や従業員に対しても納得感のあるメッセージを打ち出せるかが鍵になりそうだ。
