ペットボトルなどで埋め尽くされたイタリアの海岸。年々増え続けるプラスチックごみ。2019年には世界で3億5300万トンに上り、20年で2倍以上になっている(OECD(経済協力開発機構))。深刻化するプラスチックによる環境汚染の防止に向け、初めての国際条約の案をまとめる会議がきょうから韓国で始まった。2019年にはプラスチックごみ2200万トンが、海や陸など環境中に流出したとされている。東南アジア・マレーシアではプラスチックごみの輸入が急増。リサイクルが可能な資源として輸入しているが、違法な投棄や焼却も頻繁に行われていると指摘されている。地域に住む女性は、家族3人とものどの痛みなどに悩まされているという。The Ocean Cleanup提供の映像。プラスチックによる環境汚染の防止に向けた会議が、きょうから韓国で始まった。会議場の前には、大きなクジラのオブジェが展示され、中には、さまざまなプラスチックごみが入っている。クジラが飲み込んだプラスチックごみを表現している。各国は、おととしの国連環境総会で法的拘束力のある国際条約をことし中に取りまとめることを決議。今回の政府間交渉委員会で、条文案の合意を目指す。焦点の1つは、プラスチックの生産量の規制についてどこまで踏み込めるか。このほか環境中への流出防止策の各国への義務づけなどについて議論が行われる。世界で深刻化するプラスチックによる環境汚染。人体に及ぼす影響について、警鐘を鳴らす専門家も。東京農工大学の研究グループは、ことし2月、人間ドックを受けるなどした11人の血液を分析したところ、このうち4人の血液から1000分の1ミリ以下の微細なプラスチックが検出されたという国内では初めての研究成果を報告。粒子を取り込んだ魚などの海洋生物を食べることや、大気中に舞っている粒子を吸い込むなどして、体内に摂取されている可能性があると指摘。東京農工大学・高田秀重教授は「プラスチックにはまだ有害性の検討が不十分なものが無数に含まれている。プラスチックの総量、使用料全体を減らしていくことが非常に大事」と語った。世界で深刻化するプラスチックによる環境汚染。人体に及ぼす影響について、警鐘を鳴らす専門家も。東京農工大学の研究グループは、ことし2月、人間ドックを受けるなどした11人の血液を分析したところ、このうち4人の血液から1000分の1ミリ以下の微細なプラスチックが検出されたという国内では初めての研究成果を報告。粒子を取り込んだ魚などの海洋生物を食べることや、大気中に舞っている粒子を吸い込むなどして、体内に摂取されている可能性があると指摘。東京農工大学・高田秀重教授は「プラスチックにはまだ有害性の検討が不十分なものが無数に含まれている。プラスチックの総量、使用料全体を減らしていくことが非常に大事」と語った。東京・港区の映像。プラスチックごみが流れ着く経路を探る研究も進められている。鹿児島大学工学部・加古真一郎教授は「中国、韓国、日本、いろいろな所から出たごみは東アジアだと日本に漂着しやすい」と語った。研究では、プラスチックごみの量を定点観測。富山県の海岸では、ごみの回収が行われても、徐々にペットボトルなどが流れ着き、1週間ほどすると回収前と同じような状態に戻っていた。加古教授は「プラスチックごみは自然に分解せず、漏れ出す可能性を少なくするにはどうすべきか考えることが必要」と語った。