野菜や穀物などを育てる技術について。野菜を育てるには水が必要。土の中で水の量をコントロールする方法として使われるのが、水分を吸収するポリマーという材料。このポリマーを農業に適するよう開発したのが、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で研究を進めるインド出身の男性・ナラヤンラルガルジャールさん。“ポリマーで農業を変えたい”。ガルジャールさんの思いを取材。ガルジャールさんが開発したポリマーは、100%天然由来。種を植える前にポリマーを少量畑にまいて、トラクターで土の中に混ぜる。ポリマーは、土の中に水分を一定程度保持するバランサーの働きをする。ガルジャールさんの故郷(インド・ケルディ村)はインド西部の300人ほどの小さな村で、何週間も雨が降らないことが増え、作物が枯れてしまうことに困っていた。科学に関心があったガルジャールさん。ポリマー開発のきっかけは父親のことばだった。ガルジャールさんは支援が充実していた沖縄科学技術大学院大学のプログラムに応募。採用されて日本で研究を続け、100%オーガニックなポリマーとして完成させた。ポリマーはガルジャールさんの故郷、インドの農地に大きな変化をもたらしている。ガルジャールさんのポリマーは、地球温暖化の影響が懸念される中、さらに関心が広がっている。ウクライナでも使用されることになり、地元の企業と連携して小麦を中心に、大規模な実証実験を行う予定。東京農業大学応用生物科学部・犬伏和之教授は、今後のポイントは「ポリマーが、土壌や作物によってどのくらいが適量か、どのくらいの期間で土に返るか、短期的、長期的に確認が必要では」という。