東京都民だけでなく、世界から批判の矛先が向けられたのが、いちょう並木で有名な明治神宮外苑の再開発。明治神宮や三井不動産などが事業者となり、神宮球場と秩父宮ラグビー場は老朽化のため建て替えられる。球場の隣には超高層ビルが2棟建てられる。再開発には作家・村上春樹など著名人も反対の声を挙げた。音楽家・坂本龍一は、がんで闘病中、手紙で計画の見直しを求めたが東京都・小池百合子知事は「事業者である明治神宮にも手紙を送った方がいいのでは」と答えていた。再開発は進むのか、先週の港区長選の結果が注目を集めている。初当選した元港区議・清家あい氏。選挙戦の中で再開発に対し慎重な立場を示してきた。事業者が開発の際に行う東京・港区内の木の伐採は区の許可が必要とされている。港区長に就任予定・清家氏は「皆さんの意見を聞きながら進めていく必要はある」と述べた。約30年前から、この近所で暮らしているきた青山一丁目住宅自治会・近藤良夫会長は、再開発に反対してきた。近藤会長は「残してほしい。将来にわたって東京が誇れる景観でもある」と語った。そもそも神宮外苑は、約100年前、国民からの寄付金や献木などによって造られた。戦後は、都市計画公園に指定され、高層ビルの建設といった大規模な開発は制限されてきた。事業者は、4列のいちょう並木を守るというが、景観が変わってしまうのではないかと不安を感じる人も多い。都など行政が開いた説明会では、青山一丁目住宅自治会・近藤良夫会長は「参加者が多数いて時間オーバーで。後日説明会を開いてくれと言ったが、“もうできない”と“もう決まったことだから”と」と述べた。住民の納得が得られないまま、東京都・小池百合子知事は神宮外苑の一部の公園指定を解除し、超高層ビルが建てられるように変更。事業者の再開発を認可した。近藤会長は「行政の怠慢、東京都の子の開発は暴走」と述べた。批判を浴びていることに対し、小池知事は「都は条例、東進に従って適切に手続きを進めていく。事業者は樹木の保全にしっかり取り組む。内容などについてわかりやすい情報発信に努めてもらいたい」と述べた。