川が作った崖は実は東京の住宅街にも隠れている。次に向かったのは都内の下町。23区の中央部や多摩の一部ではかつて大小さまざまな川が流れ崖ができた。その斜面は宅地化が進む中で固められ崖は見えにくくなっている。小森はこうした場所でも土砂災害は起こりうると指摘する。崖を活用した宅地で注意すべき被害は何か。宅地防災に詳しい橋本隆雄に聞いた。橋本は崖を利用した宅地ではその上に盛り土をし擁壁で固めていることが多いと指摘している。このため盛り土が水を多く含んだり擁壁が古かったりすると崩れる。斜面や擁壁に危険が迫っていないかチェックするポイントを聞いた。まずは擁壁にひび割れが起きていないか。また、草やこけが生えていないか。そして擁壁が膨らんでいないか。こうした状況が見られる場合は注意が必要だ。実は都内で指定されている土砂災害警戒区域、先月時点で1万5000か所以上、かなりの数に上る。