東京の明治神宮外苑の再開発で早ければ今月中にも樹木の伐採が始まることを受け事業の中止を求めているユネスコの諮問機関は都に対し事業者による環境影響評価のやり直しを求めた。ユネスコの諮問機関、イコモスの国内委員会がきょう開いた会見で石川幹子理事は見直し案について審議が尽くされたとは言いがたく極めて問題があると述べた。明治神宮外苑の再開発についてイコモスは去年9月、世界の公園の歴史においても例のない文化的資産だとして再開発の中止を要求する警告の文書を事業者や都などに送った。文書には法的な強制力はなく東京都は回答しなかったが事業者に対して樹木の保全方法の見直しを求めた。その後、事業者は樹木の保全に向けた計画の見直し案を都に提出し都は環境影響評価の手続きを再び行うことを事業者に求めず早ければ今月中にも樹木の伐採や移植が始まる。これについて会見で石川幹子理事は新たに建設されるラグビー場の日陰がもたらす樹木の生育影響について検討されていないことや樹木の移植先となる土地が不足するおそれがあることなどを指摘している。そのうえで都が事業者に対し環境影響評価のやり直しを求めるよう訴えた。これについて都は条例に沿って対応しているとして事業者に対し環境影響評価のやり直しは求めない考え。