地域おこし協力隊は総務省が2009年度から始めた地域活性化のための施策。これまで隊員の年齢は若い世代が多かったが、今は50代以上の中高年が活躍するケースが増えている。青森・八戸でワイン用のぶどうの収穫を手伝っている秋山行雄さん57歳は今年5月、八戸市の地域おこし協力隊に入隊した。八戸市出身の秋山さんは東京のIT企業を早期退職し、ふるさとに貢献したいという思いをセカンドライフで叶えることにした。地域おこし協力隊は地方自治体が都市部の人を受け入れ、1~3年町おこしに協力してもらう制度。2009年度に始まり、昨年度は過去最多の7900人余が活動。隊員の年齢は20代と30代で60%以上を占めるが、50代以上が増えていて15%を超えている。八戸市は元々40代以下の年齢制限を設けていたが3年前に撤廃したため、秋山さんも応募できる道が開かれた。八戸市は約10年前から地元産ワインに力を入れている。特産化をさらに進めようと秋山さんのIT業界のキャリアが期待されている。ぶどう畑の気象データを分析し、品質・収穫量を向上させようとしている。協力隊員は任期後、全国で7割近くが同地域に定住している。秋山さんは青森と東京の多拠点生活を思い描いている。移住しなくても深く地域と関わり続ける“関係人口”として人とのつながりを生かしながら八戸を支えたい考え。
