福島第一原発では23年8月に処理水の放出が始まったが、反発した中国による日本産水産物の輸入停止措置は、半年余りたったいまも続いている。汚染水を処理する過程では、去年10月に放射性物質を含む廃液を浴びた作業員が一時入院したほか、先月には化装置から放射性物質を含む水が漏れるトラブルも発生。「核燃料デブリ」の取り出しをめぐっては装置の投入が遅滞している。当初の計画から3年近く遅れることになる。国の専門機関は原子炉などに充填剤を流し込んでデブリごと固めて取り出す新たな工法を一部で活用するよう提言した。東京電力は今後1年から2年ほどをかけ、実現性などを検証するとしている。