福島第一原発の1号機から3号機の格納容器内部には、2011年の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った「核燃料デブリ」が計約880トンあると推定され、その取り出しは廃炉最大の難関とされている。先月22日に事故後初めてとなる試験的な取り出しに2号機で着手する計画だったが、当日の準備作業でミスが見つかり直前で延期されていた。東京電力は再発防止策を取ったうえで、「格納容器の内部に通じる配管に装置を入れて、核燃料デブリの試験的な取り出しに着手した」と発表した。計画では、細いパイプ状の装置の先端からケーブルで下ろした器具で格納容器の底にあるデブリを数グラムつかみ回収することになっていて、東京電力は「完了までには順調に進んでも2週間程度かかる」としている。政府や東京電力は、「試験的な取り出しで得られる核燃料デブリのデータは、本格的な取り出し工法の検討など、今後の廃炉を進めるうえで欠かせない」としていて、成否が注目される。