東京・有楽町は東京駅や銀座に近く多くの商業ビルが立ち並ぶ。文筆家・鈴木伸子さんのイチオシが地上15階建てのビル。戦後復興の象徴として1965年に完成した東京交通会館。今では全国各地のアンテナショップが入るビルとしても知られているが鈴木さんが注目するポイントは中央階段の1階から3階に広がる大理石モザイク壁画。最上階の円盤形のところはかつて回転レストランとして営業していた。ハワイのショッピングセンターにあったレストランをヒントにつくられて、その珍しさから長蛇の列ができていた。1周は80分で老朽化などにより4年前に回転を終えるまで有楽町のシンボルとして親しまれてきた。有楽町には今、再開発の波が。1960年代後半に建てられた2つのビルは去年10月に閉館し建て替えられることになった。鈴木さんが最後に案内してくれたのは1963年に建てられた新東京ビル。ホールの天井を彩るのは万華鏡のような照明。その下を囲む金属の柵には葉っぱのような模様が。モザイクの床には金色の縁取り。それらを一望することができるバルコニーは鈴木さんにとって特別な場所。他にもシブいビルとして1968年開業の西武渋谷店、1974年竣工の新宿住友ビルの映像を紹介した。