ASEAN(東南アジア諸国連合)の一連の首脳会議はラオスの首都ビエンチャンできのうから始まり、2日目のきょうは南シナ海の領有権問題でフィリピンなどと対立する中国の李強首相がASEAN加盟国との首脳会議に出席する。この会議を前にフィリピン・マルコス大統領はきのう加盟国だけの首脳会議の場で“外部勢力の攻撃的で違法な行動に見て見ないふりをしないよう求める。沈黙することはASEANを衰退させる”と訴え、南シナ海で威圧的な行動を強める中国を念頭に結束して対応にあたるよう加盟国に呼びかけていたことがフィリピン政府の内部文書で明らかになった。外交筋によると中国と経済的なつながりが強い一部の加盟国との間で、議長声明に盛り込む南シナ海問題についての文言を巡って意見が対立しているという。マルコス大統領は“われわれを分断しみずからの目的のためにASEANを利用しようとする者の行動を無視してはならない”とも呼びかけていて、きょう開かれる中国とASEANの首脳会議でどのような議論が交わされるか注目される。