福島・大熊町で梨農家として生計を立てていた鎌田清衛さんを取材。現在は大熊町から車で2時間の距離にある須賀川市に避難している。福島第一原発から3.4km圏内にある自宅と梨農園は除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設となり生活の基盤を失った。2014年に一時帰宅した際の映像では梨畑は雑草だらけ、家は荒れ果てた状態になっていた。先月自宅のあった場所へ行ってみると家や農園の跡形はなく、除染で出た土などが保管されていた。震災後鎌田さんは街の記録を残すことを始めた。また町内外の人と現地を歩き歴史を伝える活動にも力を入れている。鎌田さんと4年前に訪れた神社に再訪すると草が生い茂り震災で崩れたままだった神社は、草が刈られ綺麗に整備されていた。鎌田さんの活動をきっかけに残していきたいとの声が集まり地域の人達が整備したという。震災から14年となり鎌田さんにも気持ちの変化が生まれてきた。震災後12年間続けてきた歴史を伝える活動に区切りをつけようとしていた。鎌田さんは、大熊町は有名なところがない、何もなかったから平和だった、何もない事が平和だと思うと語った。