昂輝くんは時計博士ちゃんに憧れる星慈くんからの依頼で、福島・昭和村に出張修理にやってきた。修理するのは星慈くんの父・修一さんが10歳の頃に買った時計。星慈くんの祖父母はタバコ農家として成功し、奮発して買った高級時計だった。修一さんは跡を継いだがタバコ需要は減り続け、30代半ばで廃業。米農家として生計を立ててきた。母・静さんは35歳で昭和村に移住し、生活の面倒を見てくれた修一さんと結婚した。半世紀以上家族を見守ってきた時計を星慈くんの代まで引き継ぎたいという思いがあるという。分解してみると2つあるうちの片方のゼンマイに問題が見つかった。ゼンマイの間に支柱をかましている特殊な構造のため、分解する時に外すと支柱分のスペースが閉じてしまい、組み立て直す際に再び支柱にかませることが難しい。キツく巻かれたゼンマイは一度広がると人の手では戻せないため、針金でゼンマイを固定してフレームを外してみることにした。支柱も外れないまま分解に成功し、油の汚れを拭き、部品を組んではバラしを繰り返すこと2時間。機械部分の組み上げは完了した。