千昌夫は昭和40年9月にデビューし、翌年3月の間に「星影のワルツ」など3枚のレコードをリリースした。また、千は自分の楽曲をかけて欲しいと都内の有線放送を巡り、先方は「歌い手自らが来てくれるとは!」と感激してくれたという。ある時、トイレで千の曲を口ずさむ人と出会い、千は「それ歌ってるの私です」と話すと、男性は抱擁してくれた。「北国の春」を引っ提げて歌番組に出演する際、千はレインコート姿に帽子、片手にはカバンを持つというスタイルを発案。東日本大震災の発生後、被災地の避難所をめぐるなか、歌は被災者たちの力になりうると実感。千は「歌手になって良かった」と初めて思えたという。