先月開業した「高輪ゲートウェイシティ」。JR東日本が駅と街を一体で開発、総事業費は約6000億円。最寄りの高輪ゲートウェイ駅は、中も公園のよう。駅ナカのデザート店は、初日から大行列。巨大な街を移動するために自動走行のモビリティが行きかう。今回は、全5棟のうち2棟が開業。この秋には、ホテルと大型商業施設もオープンする。来年春には、4つのビルと複合文化施設が揃い全面開業予定。そんな街づくりのキーマンが出川智之さん。竹芝や新潟駅などで新施設の開発を担当した、JRきってのアイデアマン。緑に囲まれた渦巻き状の建物は、ゲートウェイシティの顔となる「MoN Takanawa」。今回開発途中の現場に初めてテレビカメラが入る。巨大な地下空間には、約1200人収容のライブ施設が完成する予定。大規模な開発工事が始まってすぐ、発見された石垣は日本最初の鉄道の遺構。約150年前、新橋と横浜をつないだ最初の鉄道。高輪近辺では2.7キロに渡り海に石を積み上げ、その上を汽車が走っていた。その後、東京湾の埋め立て工事で行方知れずになっていた歴史的建造物。JRは約500億円かけて開発計画を変更し、築堤の一部を保存することにした。スマホやタブレットをかざすと、当時の汽車が走る様子を見ることもできる。
「東日本旅客鉄道」首都圏から東北までを結ぶ路線網を持ち、従業員は約6万9000人。売上高は約2兆7300億円にのぼる。誕生は約40年前。国鉄を分割民営化して発足したJRグループ。民営化後の入社組で、初めてトップになったのが喜勢陽一社長。喜勢さんは高輪開発の初期から携わってきた。2月下旬、街づくりのキーマン出川さんが会議を招集した。テーマは「高輪ゲートウェイ駅の発車メロディ」。街のイメージと直結する大事な要素。高輪ゲートウェイにふさわしいと出川さんが選んだ曲は、JRがオリジナルで作った「グロリアスゲートウェイ」。さらに出川さんは、駅の構内にも客を呼べるこれまでにないアイデアを温めていた。駅ナカでDJイベントを開き、夜の駅にも足を運んでもらおうという狙い。出川さんがイベント実現のために頼ったのが、萱場俊克さん。品川駅のバーをはじめ、上野駅に大行列のスイーツ店を開業させるなど、駅ナカに新たな旋風を巻き起こしてきた人物。高輪ゲートウェイ駅では、生地からクリームまですべて駅で手作りする、焼き立てシュークリームで勝負に出る。さらにイベントを盛り上げるとっておきの秘策、生クリームやヨーグルト、シュークリームの材料に使うものなどを混ぜ合わせ濾過すると”透明な液体”に。作ったのは、ウィスキーベースのシュークリームカクテル。音楽を聴きながら味わえるオリジナルのお酒を用意した。
街開きの2日前。出川さんがサプライズを企んでいた。オープン直前の話題作りとして、シークレットイベントを行うという。社長肝煎りのプロジェクトとのこと。色とりどりの光を放ち夜空に舞い上がるドローン。周辺のオフィスに働く人々や住人が見上げている。150年前、日本で最初に走った鉄道の記憶、それが今の山手線につながっている。新しい街への期待を込めた、約10分のショーだった。巨大事業のプレッシャーと戦ってきた出川さんの想いが溢れる瞬間だった。そして迎えた、3月27日「高輪ゲートウェイシティ」が開業した。駅の中には芝生の広場ができていた。ホームでは、新発射メロディー「グロリアスゲートウェイ」が流れていた。初日から長蛇の列ができていたのは、萱場さんのシュークリーム店。作る工程が見られるパフォーマンスが人々を引き寄せていた。夜になると、これまでにない駅の風景に。これは変革の始まりに過ぎないという、高輪ゲートウェイの駅と街の変革は今後リニアができる品川駅や、羽田空港をつなぐ周辺の駅にまで広がっていく。
「東日本旅客鉄道」首都圏から東北までを結ぶ路線網を持ち、従業員は約6万9000人。売上高は約2兆7300億円にのぼる。誕生は約40年前。国鉄を分割民営化して発足したJRグループ。民営化後の入社組で、初めてトップになったのが喜勢陽一社長。喜勢さんは高輪開発の初期から携わってきた。2月下旬、街づくりのキーマン出川さんが会議を招集した。テーマは「高輪ゲートウェイ駅の発車メロディ」。街のイメージと直結する大事な要素。高輪ゲートウェイにふさわしいと出川さんが選んだ曲は、JRがオリジナルで作った「グロリアスゲートウェイ」。さらに出川さんは、駅の構内にも客を呼べるこれまでにないアイデアを温めていた。駅ナカでDJイベントを開き、夜の駅にも足を運んでもらおうという狙い。出川さんがイベント実現のために頼ったのが、萱場俊克さん。品川駅のバーをはじめ、上野駅に大行列のスイーツ店を開業させるなど、駅ナカに新たな旋風を巻き起こしてきた人物。高輪ゲートウェイ駅では、生地からクリームまですべて駅で手作りする、焼き立てシュークリームで勝負に出る。さらにイベントを盛り上げるとっておきの秘策、生クリームやヨーグルト、シュークリームの材料に使うものなどを混ぜ合わせ濾過すると”透明な液体”に。作ったのは、ウィスキーベースのシュークリームカクテル。音楽を聴きながら味わえるオリジナルのお酒を用意した。
街開きの2日前。出川さんがサプライズを企んでいた。オープン直前の話題作りとして、シークレットイベントを行うという。社長肝煎りのプロジェクトとのこと。色とりどりの光を放ち夜空に舞い上がるドローン。周辺のオフィスに働く人々や住人が見上げている。150年前、日本で最初に走った鉄道の記憶、それが今の山手線につながっている。新しい街への期待を込めた、約10分のショーだった。巨大事業のプレッシャーと戦ってきた出川さんの想いが溢れる瞬間だった。そして迎えた、3月27日「高輪ゲートウェイシティ」が開業した。駅の中には芝生の広場ができていた。ホームでは、新発射メロディー「グロリアスゲートウェイ」が流れていた。初日から長蛇の列ができていたのは、萱場さんのシュークリーム店。作る工程が見られるパフォーマンスが人々を引き寄せていた。夜になると、これまでにない駅の風景に。これは変革の始まりに過ぎないという、高輪ゲートウェイの駅と街の変革は今後リニアができる品川駅や、羽田空港をつなぐ周辺の駅にまで広がっていく。