東充さんは、震災当時写真が撮影された場所に出向き、同じ構図でいまの様子を写真で記録しており、撮影された場所は1000地点に上る。火事で焼けた商店街や商業施設を再建させた地区、区画整理を進めて広場を設けるなど災害に備えたまちづくりを進めた地区など、そこに暮らす人たちが町を立て直そうと必死に取り組んできたことを写真を見比べて感じてほしいという。東さんは神戸市の委託を受けて、「神戸アーカイブ写真館」の代表を務めている。市などが収集した写真をデジタル化して公開する作業を行いながら、新たな写真の撮影も進めてきたという。震災当時、東さんは、長田区にあった市場で漬物店を営んでいた。地震で店は倒壊し、自宅は全焼したという。東さんは、撮影した写真を冊子にして神戸アーカイブ写真館で公開する他、講演会なども行なってきた。神戸市が市内に新たに歴史公文書館を設置するのに伴い、施設は閉館することになり、先月その歴史に幕を閉じた。東さんは自身が整理してきた写真などの資料が受け継がれ、新たな形で活用されることに期待している。
住所: 兵庫県神戸市中央区加納町6-4