松本三津子さん(88)と妹の裕子さん(81)は、母から、「父は列車の空襲で亡くなった」と伝えられてきた。1945年8月5日、アメリカ軍の戦闘機が東京・八王子市の湯の花トンネルに差し掛かる中央本線を機銃掃射し、52人が死亡した。列車を狙ったものとしては最大規模の空襲だったという。先月27日、慰霊碑に最近分かった犠牲者の名前が刻まれた。当時の混乱で、今も身元がわからない死者がいるという。三津子さんはニュースを見て父の戸籍を確認したところ、父がこのトンネルの空襲の日に亡くなっていたことがわかったという。三津子さんは裕子さんと共に初めて現場を訪れ、父の痕跡にたどり着くことができたという。