きのう、都知事選が告示された。ポスター掲示板には立候補者と無関係の人。都内の至るところで見られる異様な光景が物議を醸している。東京・新宿区の交番の横に設置された選挙ポスターの掲示板には猫のポスターが24枚貼られていた。掲示板から約50m先にある別の掲示板には犬のポスターが24枚貼られていた。ポスターにあるQRコードを読み取ると、候補者とは関係ない公式アカウントが表示された。葛飾区の掲示板ではパンダやカピバラ、トラやウシなどイラストのみで文字は一切書かれていない。千代田区の掲示板には立候補者ではない格闘家の女性のポスターが24枚貼られていた。掲載されたQRコードを読み込むと、女性の公式YouTubeチャンネルが表示された。大田区には特定の人へのメッセージや、幼い子どもが書いたような手書きのイラストが貼られていた。ポスターを見た人からは戸惑いの声が聞かれた。東京都のトップを決める首都決戦で何が起きているのか。史上最多56人が立候補した東京都知事選挙。そのうち推薦を含め、24人を擁立した政治団体は団体に寄付した人に自由なポスターを掲示板に掲載できる権利を与えた。そのため、都内の至るところに候補者と無関係のポスターが貼られる事態となった。有権者が1票を投じる際、大きな参考にある掲示板に候補者以外のポスターが掲載される異常な事態。掲示板を見た人たちからは「注目するきっかけになる」との声もあった一方で、否定的な意見が相次いだ。さらにネット上で掲示板ジャックに反対する署名活動が始まった。午後3時の時点で2万8000以上の署名が集まっていた。批判の声は自治体の長からもあがっている。林官房長官は「候補者以外が使用するものではない」と述べた。