アメリカ人のベンジャミンさんが愛媛県の山奥に作った茅葺き屋根の道場を取材。12枚の上開き扉は蔀戸。寺・神社によくある扉だという。入口の階段は古民家で廃材となった「欅」を使っていた。道場の中を見せてもらうと、見たことがない構造で取材スタッフは驚きの声をあげた。茅は燻さないと長持ちしないため、燻すための囲炉裏があった。暖房も兼ねている。囲炉裏も手作りしたという。妻・昌美さんが描いた設計図を見せてくれた。絵に描いて2人で話し合うことで問題点が見えてくるという。燻した煙で防虫効果と耐久性を向上させ、杉の葉の油分で防水性を高める。茅葺き屋根は通気性が抜群。分厚く束ねた茅が空気を蓄えることで断熱性にすぐれ、夏は涼しく冬は暖かい。四季がある日本に適した伝統工法。檜には酸化鉄を主成分とする天然塗料「弁柄」を塗ってかたくする。さらにアマニ油・桐油など自然な油を塗ることで山の霧など湿気に強くなるという。床は柿渋を塗っている。渋柿の未熟果を搾汁し発酵熟成させた天然塗料。梁は部材をぴったり合わせて組む「光付け」。随所に日本古来の伝統工法が用いられていた。道場には法螺貝が置いてあり、ベンジャミンさんが吹いてくれた。