過去の気候変動を研究している中塚武教授は「平将門が生きていた時代、降水量が少なく、約千年ぶりの大旱魃だった」と話す。社会は困窮するなか、朝廷は地方を治める国司の権限を強化。一定の税を納めれば、残りは懐に入れることができるようになり、私財を蓄えようと徴税を厳しくする国司もあらわれた。そんななか、関東の一豪族にすぎなかった平将門だが、国司と同等の存在だと国司本人から認められていた。先祖を遡れば桓武天皇に行き着くという血筋に加え、武勇にも優れていたので他の豪族からも一目置かれていた。常陸の国で起きた国司、豪族の対立の仲介を果たそうとするも、戦乱となり、平将門は国府を焼き打ちに。これが国への反逆となってしまった。