千葉・市原市を中心に走る小湊鉄道の車窓からはのどかな里山の風景が広がる。寒さ厳しい2月、線路脇に地元住民、鉄道会社の社員、市職員が集まり、恒例の草刈りを行った。15年程前から人々は藪を切り開き、木を植え、花の種を蒔くなどして花園を作ってきた。人々を魅了するのが菜の花畑と桜で、全国の鉄道ファンの耳目を集める。草刈りを行うのは高齢者が多いなか、高橋洋介さんのように里山を守ろうとする若者の姿もある。高橋さんの本業はデザイナーで、菜種油のラベルを手掛けたり、菜種油で揚げたポテトチップスも試作。野花の花園にはミツバチ、モズといった生き物の姿もある。美しい風景を後世に残していこうと、高橋さんは若者、都会の人々に参加を募っている。