「植田総裁は“マエストロ”?」。大和証券・木野内栄治の解説。“マエストロ”は中央銀行では長くFRBを率いたグリーンスパン議長を褒めるときの言葉だった。木野内さんは「植田総裁もマエストロと呼べるようになるのではないか。検討材料として2つある。GDP需給ギャップを重視する姿勢をつらぬけるか、国債減額で円安対応できるかどうか。植田総裁になってからの政策変更はすべて株式の押し目買い戦略が有効だった。やってることは異次元緩和の巻き戻しだが、決してタカ派になりすぎずにうまくやっている。植田総裁は審議員時代にゼロ金利解除に反対したハト派だった。GDP需給ギャップはもっとルーズ。GDPの2割近くを占めるのが設備投資。実質金利がマイナスで投資を遅らせるとコストが高くなる。設備が増えれば雇う人も増える。植田総裁は緩和的金融環境の証として実質金利が低いことを指摘している。実質金利が上がり気味で植田総裁は実質金利を上げたくないと思っている。国内債券を買うとその分外債投資が減って円安対応になるのではないかと思う。トータルで見てGDPが上がっていくとGDP需給ギャップが上がっていく、そうすると株高になってくるということだと思う。これがうまく成功するとマエストロと呼ばれる」などと述べた。