日銀の植田総裁は、経団連の会合で講演し、経済物価情勢の改善が続けばそれに応じた利上げが必要になるとの認識を示した。利上げが遅れれば物価上昇率が2%を上回って加速し、あとになって急速な金利の引き上げを迫られるリスクが高まると強調した。ただ具体的な利上げのタイミングについては、今後の経済物価、金融情勢次第として米国のトランプ次期政権の経済政策などを注視していく姿勢を示した。さらに賃上げについては「重要なことは2%の物価上昇と整合的な賃上げを社会に定着させていくこと」。植田総裁は日本経済の目先の大きなポイントは、来年の春闘に向けた動きだとして春闘で物価上昇率に見合う賃上げが定着するよう経営者たちに求めた。