安土桃山時代から400円以上茶碗を作ってきた樂家は、現在十六代を数える。今年の正月、息子に代を譲った樂直入が無言で土を込める手始め式という儀式を行った。この日だけ仙台の手仕事を見ることが許されている。樂家では1年に数碗しか世に出さず、ろくろを使わずに手捻りで作っている。初代長次郎が作った漆黒の茶碗は、色彩豊かな舶来品が重宝されていた当時革新的だった。樂家を繋いできた16人は、利休が長次郎の茶碗に託した問いと向き合ってきた。
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