ノンフィクション作家の55歳の佐々涼子さんはこれまで「生」と「死」をテーマにした作品を発表し続け、海外で亡くなった人を母国に送り届ける仕事を描いた作品はドラマ化もしていた。終末期の患者の在宅医療に密着した作品は大賞を受賞。佐々さんは精力的に執筆活動を続けていたが去年の12月に悪性脳腫瘍と診断され余命は数ヶ月かも知れないという。数多くの死を冷静に見つめ書いてきた佐々さんですが自らの死に対しては書けない日々が続いている。佐々涼子は夫と2人暮らしで夫は海外勤務が続いていたが佐々さんの病気が分かり直ぐに帰国し毎日在宅勤務だった。病気の影響で物忘れが激しく去年の12月は診断から8日後にSNSで病を公表している。出版社からは自身の経験を書いてみないかという依頼が何度かあったが全て断っていた。 理由は自らの死を冷静に見られず「ノンフィクション作家として一冊の本を書き上げる重みを知っているから書けない」と話している。息子の夫婦と孫は毎週のように遊びにていると言うが、今は日々の出来事を日記に綴っているという。悪性脳腫瘍は希少がんと呼ばれているが言葉に気付きがあり「左側の最初に希望で少ないと書いている」などと語っている。